本文
令和6年10月1日 月初め式
10月になりましたが相変わらず暑い日が続いています。農作物の不作などさまざまな影響が出ています。こうした異常気象が日常的にならないよう祈るばかりです。
9月5日から7日間、姉妹都市であるドイツ・ローテンブルク市に行ってきました。今年は同市が帝国都市として特権を与えられて750周年、帝国都市祭の開催50周年となる特別な年で、これらの式典に招待を受けました。市民全員でイベントを盛り上げている姿は感動的で、素晴らしい式典でした。また今年は内子町の中高生が同市で研修を行う「青少年海外派遣事業」が5年ぶりに再開します。事業への協力に感謝を伝えるとともに、2026年の姉妹都市盟約締結15周年記念式典など、今後の交流について有意義な意見交換ができました。
さて、私が町長に就任して3年8カ月が経ちました。これまでの取り組みと今後についてお話しします。
公約として掲げたのは新型コロナウイルス感染症対策と人口減少対策です。就任した当時は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっていたので、まずはワクチンの接種体制構築や感染予防対策などに取り組みました。その後、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、町内事業者や町民も物価高・原油高の影響を受けました。その際は各種給付金や補助金の整備、2回にわたる一人1万円の生活応援商品券の交付など、延べ100事業を超える対策を実施しました。議会のご理解をいただきながらスピード感を重視し対応できたことが、大きな効果につながったと考えています。
次に人口減少対策についてです。内子町でも人口減少・少子高齢化が進んでおり、危機感を感じています。これまでの取り組みによって、現在は出生数や生産年齢人口には回復の兆しが見られます。人口減少対策には、私は特に「稼ぐまち」「安心して住み続けられるまち」の実現が大切だと考えます。まちの元気には、農林業や商工、観光業が元気になって所得を増やす必要があり、そのために各産業の担い手不足の解消が重要になります。現在も国の制度や町独自の制度などを活用して、担い手確保に取り組んでいるところです。
「稼ぐまち」に関して、各産業に対する施策の一部を紹介します。
農業では基盤となる潅水施設や農道の整備、資材・機械購入への補助などを行っています。また林業では木材の利用拡大のため、町産材使用住宅への補助、森林整備のための自伐林家に対する機械購入補助などを実施しています。農産物を含む特産品の販路拡大、知名度向上にも力を入れています。指定管理の「内子フレッシュパークからり」や「小田の郷道の駅せせらぎ」では、新型コロナ感染症や物価高の影響を受けましたが、売り上げはからりが7億円を超え、せせらぎも1億円に迫っています。農林業を取り巻く環境を少しでも改善するため、国の事業や対策も積極的に取り入れながら所得向上を目指していきます。
観光業に関しては、内子町の観光資源は大きな可能性を秘めています。現在、内子座の保存修理工事や旧森家住宅の整備、小田深山渓谷への休憩所整備などを実施中です。また今年度は民間の皆さんによる宿泊施設の整備も進んでいます。観光協会や周辺自治体とも連携し、お客様により満足していただき、滞在時間を延ばしていただくことで、経済活動に結び付けていければと思います。今後は商店街の無電柱化を進めていきますので、ご協力をお願いします。
続いて「住み続けられるまち」についてです。実現には子どもから大人まで安心して暮らせる環境を整える必要があります。
子育て支援では、放課後児童クラブや公園の整備、学校給食費補助、高校生までの修学旅行補助、18歳までの医療費無償化などに取り組んでいます。小・中学校では英語教育の充実、GIGA(ギガ)スクール構想の実現に向けたICT環境整備、教室へのエアコン設置や電子黒板設置、耐震化やトイレ改修など、より良い学習環境づくりを行っています。
ふるさと教育を進めるコミュニティスクールは、町内全ての小・中学校で体制が整いました。町の歴史や文化、伝統、産業を学び、子どもたちの故郷への愛着を育めるよう取り組んでいます。子どもたちが町に関心を持ち、将来はまちづくりに参加してくれることを願っています。
防災対策については、自治会館や消防詰所の改築、装備品の充実や消防積載車の更新を行っています。今年は地震が頻発しており、南海トラフ地震の危険性も高まっています。総務課危機管理班に危機管理監を配置したので、地域に出向いて防災意識の向上を図っていきます。他にも家具の転倒防止や住宅の耐震化など、皆さんの命を守る施策を進めていきます。
生活するうえで重要なインフラ整備にも取り組んでいます。水道管は老朽化対策や耐震化のため、鵜川地区や五十崎地域、寺村地区などで新設や布設替えを行います。
高齢者福祉については、帯状疱疹ワクチン接種や補聴器購入に対する補助などを実施しています。
その他、移住者支援、企業誘致、景観整備、ICTの活用、ゼロカーボンシティの実現などを行なっています。それぞれの取り組みを加速させ、安心して住み続けられるまちを町民の皆さんとともにつくっていきたいと考えています。
子どもたちは進学や就職などで内子を離れることもあると思います。その子たちが帰りたい、残りたいと思えるような魅力あるまちでなければなりません。産業振興対策はもちろん重要ですが、私たちのまちには都会にはない歴史的な町並みや文化があり、周囲には美しい景観やおいしい果物などの農産物、そして伝統工芸などが息づいています。またさまざまな文化芸術の保護・保全にも取り組んでいます。今まで培ってきた歴史や文化・伝統を大切にしながら、都会や他自治体に負けないような独自の魅力づくり・まちづくりを行うことが必要だと考えています。
今後も内子町が元気になり、住み続けられるまち・わくわく感あふれるまちになるよう一生懸命取り組みます。皆さんのご協力をお願いします。