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日頃より内子町の文化振興にご理解・ご協力いただき誠にありがとうございます。
令和2年度から3年間かけて実施しました調査工事事業についてお知らせいたします。
内子座は大正5年に創建された芝居小屋で、昭和57年に内子町へ寄付を受けるとともに内子町の有形文化財に指定しています。翌年から復原工事に着手し、昭和60年に完成、こけら落とし公演を行っています。また、平成27年には国の重要文化財の指定を受け、翌年には内子座100周年の記念事業を行うなど、内子町を代表する文化施設として、文楽をはじめとした多種多様な催しを通じながら、多くの方に親しまれています。
内子座は昭和60年の改修から30年以上経過し、部材の破損が随所にみられるほか、大屋根の瓦のずれ、傷みによる雨漏りも問題となってきています。また、近い将来に発生が危惧される南海トラフ地震をはじめとする大規模震災に対する耐震性への不安もあり、この先の世代へと内子座を引き継いでいくためには、耐震診断とそれに伴う補強及び修理工事が必要となってきています。
こうした状況を受け、令和2年度より、修理工事を実施するための調査を実施することになりました。
現在、町民の皆さんや専門家の方々をお迎えして「内子座保存活用検討委員会」を開催しています。この委員会では、今後の内子座の保存活用に関する計画書づくりを進めています。計画書には、今後の修理や活用の方針を示すこととしていて、最終的にはその方針に沿った修理工事を行う予定です。
令和2年度は、9月下旬から令和3年1月にかけて足場を組み、破損状況などの現況を調査し、基本図面などの作成を行いました。また、耐震補強案を考える基礎調査として地盤調査を行いました。
□調査工事概要:基本図面作成、現地調査(破損調査、仕様調査、数量調査など)、構造診断(地盤調査)
令和3年度は、2年度に引き続き、破損調査等を実施しました。構造診断を行い、耐震補強案について検討を進めました。
□調査工事概要:現地調査(破損調査、設備調査など)、修理計画検討(仮設計画)、構造診断
令和4年度は最終年として調査内容をまとめるとともに、修理計画についてまとめました。
□調査工事概要:現地調査(設備調査、地下水位の確認、アスベスト含有調査、ほか)、修理計画策定、耐震補強案策定
3年間の調査工事を経て本格的な流離工事に入ることになります。工事期間中は、現在のような催しを行ったり、観光客の皆さんをお迎えしたりすることは難しくなると予想されます。しかしながら、修理期間中の内子座の活用についても、修理期間ならではの内子座を見ていただけるように工夫をしていきたいと考えています。
地元の皆様を始め、観光のお客様にはご不便をおかけする場面が出てくるかと思いますが、内子座を次の世代へと引き継ぐため、皆さんのご理解、ご協力を賜りますよう、どうかよろしくお願いいたします。
内子町役場 町並・地域振興課
〒791-3392 愛媛県喜多郡内子町内子1515 電話0893-44-2118