本文
固定資産の所有者情報の非開示運用への完全移行について
固定資産の所有者情報の非開示運用への完全移行について
当町ではこれまで、隣接地の確認などの目的に限り、例外的に登記上所有者の氏名のみを開示する運用を行ってまいりました。
しかし、近年の個人情報保護の厳格化および法制度の改正に伴い、
今後は「ご本人または委任を受けた方以外への所有者情報の開示」を令和8年5月1日より、一律でお断りさせていただきます。
その背景となる法的な理由と、今後の確認方法について以下の通りご説明いたします。
1. 個人情報保護の厳格化と「DV被害者」等の保護
現代において、氏名と住所が結びついた資産情報は、極めて機微な個人情報です。
特に、DV(ドメスティック・バイオレンス)やストーカー行為等の被害者については、
住所や資産情報を加害者に知られないよう、自治体には厳格な保護義務があります。
一部でも情報を漏らすことは、これらの方々の生命・安全を脅かすリスクに直結するため、一律の非公開を徹底しております。
これは登記情報も同様で被害者の申請によって現住所を公開しない代替措置が講じられています。
2. 「旧土地台帳法」の廃止と役割の分離
かつては、自治体が管理する「土地台帳」を誰でも閲覧できる時代がありました。
しかし、昭和35年の「土地台帳法」廃止により、その役割は以下のように明確に分かれました。
• 法務局(登記所): 誰にでも不動産の権利関係を公開(公示)する場所。
• 自治体: 税金を計算するための内部資料(課税台帳)を管理する場所。
自治体が保有する情報は、あくまで「徴税」という行政目的のために集められたものであり、
法務局のような「一般への公開」を目的としていません。
また、固定資産税の賦課期日は毎年1月1日になっているため、
常に最新の情報となっているとは限らない点からも所有者確認のために閲覧するには不適だと考えられます。
3. 「固定資産課税台帳」と「登記情報」の違い
自治体が作成する「固定資産課税台帳」には、法務局の登記簿にはない情報が含まれることがあります。
それは課税のために住民情報を紐づけているためであり、登記後の転居や改姓など登記情報とは異なる個人情報を含有しています。
更に近年では登記簿上の名義人が不明または死亡している場合、自治体が独自に調査し、
実際に土地を使用している「現所有者(使用者)」を納税義務者として登録している場合があります。(地方税法第343条第5項の規定による)
この「誰が使用し実際に税を払っているか」という情報は、法務局の公開情報よりもさらに深いプライバシーに属するため、開示することはできません。
4. 所有者情報を確認したい場合の手順
土地の所有者を確認されたい場合は、自治体の窓口ではなく、法律に基づき情報の開示ができる「法務局」にて手続きを行ってください。
当町の土地を管轄するのは松山地方法務局大洲支局になります。なお、登記情報については行政機関の情報開示制度においても開示請求の対象外となっております。
• 確認方法: 法務局又は郵便請求にて「登記事項証明書」を取得するか、オンラインの「登記情報提供サービス」をご利用ください。
法務省:登記情報提供制度の概要について<外部リンク>
各種証明書請求手続:法務局<外部リンク>
• 自治体でできること: 地番を特定するための「地籍図」の閲覧は引き続き可能です。地籍図の地積と地目については土地活用の円滑化のために引き続き公開とさせていただきます。
所有者氏名が必要な場合は、特定した地番をもとに法務局へお問い合わせください。
なお、当町が閲覧・発行しているのは法務局に備えつけられた14条第1項地図ではなく、当町が課税のために作成した地方税法第380条の3に規定された地籍図になります。
また、詳しい所在地の把握になどについては地理院地図 / GSI Maps | 国土地理院<外部リンク>などを地籍図と併用して確認されることを推奨いたします。
【自治体としての判断】
よくあるお問い合わせとして「法的に禁止されていないのであれば開示すべき」とのご意見もございますが、
他の自治体でも同様の理由で閲覧廃止が進んでいることも踏まえ、当町では「所有者情報の公開は法務局という正規のルートが存在すること」、
そして何より「町民の皆様の安全とプライバシーを守ること」を最優先と考え、この運用とさせていただきます。
しかしながら、不在者地主や空家が増加している昨今において、自身の財産や生活環境が他者の不動産から悪影響を受けているにも関わらず、
その所有者と連絡ができない状況もあるかと思います。
そのような際は担当部局に相談いただき状況を確認した上で、当町より所有者や相続人に対してご連絡をさせていただくなどの対応も検討させていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
