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性の多様性について
日本国内のLGBTの割合は8.9%で、左利き・AB型の割合とほぼ同じであり、LGBTの人々は身近な存在とされています(2021年電通ダイバーシティ・ラボ調べ)。しかし、これらの人々は、カミングアウトによる偏見や差別、就職活動における不利益、男女で区分された施設を利用する際の心理的負担、異性婚と同等の権利が得られないといった様々な生きづらさを抱えています。近年、理解が進みつつあるものの、異性を好きになるのが普通でそれ以外は受け入れない、といった固定観念や偏見は、いまだに少なくありません。多様な性のあり方を尊重し合うためには、正しい知識と理解を広めていくことが大切です。
性のあり方(セクシュアリティ)とは
セクシュアリティは、「からだの性(生物学的な性)」、「好きになる性(性的指向)」、「こころの性(性自認)」、「表現する性(性表現)」などの4つの要素からなると考えられています。これらの要素は、それぞれ男女の二つにはっきりと分けられるものではなく、組み合わせは多様で人の数だけあるといわれています。セクシュアリティの名前や枠にあてはめずに、その人のありのままを理解することが大切です。
からだの性(生物学的な性) | 生物学的な性、戸籍上の性 |
---|---|
好きになる性(性的指向) | 好きになるかならないか、なるとしたらどんな性の人を好きになるか |
こころの性(性自認) | 自分が認識している性別 |
表現する性(性表現) |
服装、髪型、話し方、しぐさなどの表現 |
LGBTとは
LGBTとは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字を並べた言葉で、性的少数者を表す総称の一つです。性的少数者はLGBTの4つだけではありません。たくさんの性を含めた言葉としてLGBTQ+といった言葉が使われるようになってきています。
L | レズビアン | 性自認が女性で、性的指向が女性に向く人。いわゆる女性同性愛者 |
---|---|---|
G | ゲイ | 性自認が男性で、性的指向が男性に向く人。いわゆる男性同性愛者 |
B | バイセクシュアル | 異性を好きになることもあれば同性を好きになることもある、性的指向が男性・女性どちらにも向く人 |
T | トランスジェンダー | 出生時に割り当てられた性別とは異なる性別を生きる人 |
Q | クィア(クエスチョニング) | 自分の性自認、性的指向について定まっていない、明確にできない、したくない人 |
+ | プラス | 上記に含まれないさまざまなセクシュアリティを表す |
この他にも「エックスジェンダー」、「パンセクシュアル」、「アセクシュアル」、「シスジェンダー」、「ヘテロセクシュアル」等、セクシュアリティを表す言葉はたくさんあります。
SOGI(ソジ・ソギ)とは
SOGIは、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字を並べた言葉です。性的指向や性自認(SOGI)は、性的少数者(LGBT)だけではなく、すべての人が共通して持っている属性で、一人ひとり異なる性のあり方があるという考え方を示す言葉として、少しずつ浸透してきています。
SO | 性的指向(Sexual Orientation) | 性的な魅力をどのような相手に感じるか |
---|---|---|
GI | 性自認(Gender Identity) | 自分が自分の性別をどのように認識しているか |
SOGIハラスメントとは
SOGIハラスメントは、性的指向や性自認を理由としたからかい、いじめ、暴力などのことでSOGIハラとも呼ばれます。社会においては「LGBTであること」ではなく、「LGBTとみなされること」、つまりSOGI(性的指向や性自認)について他人が憶測や推測をすることで、差別やハラスメント等が行われることも多くみられます。SOGIハラを含むSOGIに関する課題は、特定の人々にのみ配慮が必要な課題ではなく、すべての人にかかわる課題であるという認識が重要です。
SOGIハラの例
・同性愛者の蔑称である「ホモ」や「レズ」などの言葉を本人に浴びせたり、性的指向に対し批判などを込めた言葉(例えば「オトコ女」など)をかけたりする行為
・「男のくせにナヨナヨして気色悪い」「女なんだから化粧ぐらいしなさいよ」などと男らしさ、女らしさを強要する。
アライとレインボーフラッグとは
アライ(ALLY)とは、性的マイノリティの方々を理解し、応援する人のことです。アライがいることで性的マイノリティの方々に安心感をもたらすといわれています。性的マイノリティの方々を理解し、応援しようと思われる場合には、まず正しい知識を備え、その上でレインボーフラッグを机に置くなど、アライであることを表明しましょう。レインボーフラッグとは、性の多様性を表すシンボルで、性的マイノリティの支援の意思表明に使われています。世界的に、赤・橙・黄・緑・青・紫の6色が一般的に使用されています。
カミングアウトとアウティングについて
性的マイノリティの方は相手を選んでカミングアウトします。カミングアウトされた場合は、信頼の証です。肯定的に受け止めましょう。性的マイノリティの方が信頼してカミングアウトした人以外には知られたくない場合もあります。対応を急ぐあまり良かれと思っても、他者に勝手に暴露するアウティングはプライバシーの侵害で、命にも関わる重大な問題です。
カミングアウト | 公にしていない性的指向や性自認、戸籍上の性別等を、本人が、自分の意思で他人に伝えること |
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アウティング |
公にしていない性的指向や性自認、戸籍上の性別等を、他人が、本人の意思に反して、または本人の意思を確認せずに暴露する(第三者に開示する)こと |
カミングアウトをされたら
・カミングアウトされたことは基本的に他人に言うべきでありませんが、どの範囲までその情報を知らせているのか、または知らせたくないのか、本人の意向を十分に確認しましょう。
・対応を検討する時には、絶対にアウティングにならないように十分注意しながらどうして欲しいのか本人の希望をしっかり聞いて、 調整や話し合いを重ねましょう。
・もし、カミングアウトされてどう対応すればよいのか戸惑った場合は、一人で抱え込む必要はありません。本人に対し、どうすればよいか戸惑っていることを正直に話し、これからのことを一緒に考えましょう。
※性的指向や性自認は大切な個人情報と認識し、アウティングを防ぎましょう。
性の多様性に関する相談窓口・相談機関など
一人で悩まず、お気軽にご相談ください。相談は無料で秘密は固くまもられます。
愛媛県ホームページ LGBTQ等に関する電話相談<外部リンク>
厚生労働省 よりそいホットライン<外部リンク>