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地方自治法改正法案に係る「国の補充的指示」の さらなる慎重審議を求める意見書
地方自治法改正法案に係る「国の補充的指示」の さらなる慎重審議を求める意見書
国と地方自治体の健全な関係を維持、発展させるために、「国の補充的指示」を含む地方自治法の改正法案の審議を急ぐことなく、広く全国の地方自治体関係者の声を聞きながらさらに丁寧で慎重な議論を尽くすことを求めるものである。
政府は先般、地方自治法の改正案を提出し、衆議院は可決した。この改正案では、大規模災害や感染症まん延など「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」が発生した場合、個別法に規定がなくとも「国の補充的指示」として、国が自治体に対して法的義務を持つ指示を行なうことができるとの特例を設けることとしている。
しかし、この「補充的指示」の要件となる「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」については、どのような事態を想定しているのか具体的に示されておらず、また立法事実も明らかにされていない。
これは、2000年の地方分権一括法で明確にされた「国と地方は対等」「国の関与は必要最小限とし、地方公共団体の自主性・自立性に配慮したものでなければならない」とする考えに反するものである。この改正案に対し、全国知事会をはじめ、多くの地方自治関係者や法曹、学者からも「国と地方の対等な関係が損なわれる」との懸念が示され、「国の指示が地方自治の本旨に反し安易に行使されることがない旨が確実に担保されるよう」求めてきた。多くの国民、地方自治体関係者との丁寧で慎重な議論が欠如したまま、法改正を強行することは断じて許されない。
よって、本議会は、国と地方自治体の健全な関係を維持、発展させる観点から、政府と国会に対し、「国の補充的指示」を含む地方自治法の改正法案の審議を急ぐことなく、広く全国の地方自治体関係者の声を聞きながらさらに丁寧で慎重な議論を尽くすことを求めると同時に、先に述べた地方分権一括法によって明確にされた地方自治の本旨に逆行するような法改正には断固反対するものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年6月14日
愛媛県内子町議会
しかし、この「補充的指示」の要件となる「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」については、どのような事態を想定しているのか具体的に示されておらず、また立法事実も明らかにされていない。
これは、2000年の地方分権一括法で明確にされた「国と地方は対等」「国の関与は必要最小限とし、地方公共団体の自主性・自立性に配慮したものでなければならない」とする考えに反するものである。この改正案に対し、全国知事会をはじめ、多くの地方自治関係者や法曹、学者からも「国と地方の対等な関係が損なわれる」との懸念が示され、「国の指示が地方自治の本旨に反し安易に行使されることがない旨が確実に担保されるよう」求めてきた。多くの国民、地方自治体関係者との丁寧で慎重な議論が欠如したまま、法改正を強行することは断じて許されない。
よって、本議会は、国と地方自治体の健全な関係を維持、発展させる観点から、政府と国会に対し、「国の補充的指示」を含む地方自治法の改正法案の審議を急ぐことなく、広く全国の地方自治体関係者の声を聞きながらさらに丁寧で慎重な議論を尽くすことを求めると同時に、先に述べた地方分権一括法によって明確にされた地方自治の本旨に逆行するような法改正には断固反対するものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年6月14日
愛媛県内子町議会