○内子町景観まちづくり条例

平成20年9月25日

条例第29号

前文

内子町には、伝統的建造物の保存地区や活気ある賑わい空間が形成されつつある町並み、豊かに広がる営農地や里山等のふるさとを感じる村並み、町内を源とする小田川、麓川等の河川や緑豊かな小田深山等の山並みなどの貴重な景観がある。私たちが享受している美しい景観や心なごむ生活空間は、風土や歴史、文化の表れであり、受け継がれてきた町民のかけがえのない共有の財産である。私たちは、このかけがえのない財産を次の世代に継承しつつ、質の高い生活空間整備を進めていかなければならない。そのために町民の合意と参加のもと内子らしい良好な景観の形成を促進し、やすらぎのある生活空間の創設、豊かな自然環境の保全、景観資源を活かした観光や地域間交流の促進等の景観まちづくりを展開することを決意し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項その他良好な景観の形成に関し必要な事項を定めることにより、町並み、村並み及び山並みが美しい持続的に発展する景観まちづくりの推進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 景観形成 周囲の景観と調和し、内子町にふさわしい個性と魅力をもった景観を守り、育て又は創造することをいう。

(2) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(3) 広告物 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物をいう。

(4) 工作物 土地又は建築物に定着し、又は継続して設置されるもののうち前2号に掲げる以外のもので規則で定めるものをいう。

(5) 建築物等 建築物及び工作物をいう。

(6) 事業者等 第2号第3号及び第4号に掲げるものの新築、新設、表示、増改築、その他これらに類する行為を行う者、土地の形質の変更を行う者、これらの行為に係る設計を行う者及び土地、建築物等の販売若しくは賃貸を業として行う者をいう。

(基本理念)

第3条 景観まちづくりは、町民共有の資産である固有の景観を保全し伸長して良好な景観を次の世代に引き継ぐため、町、町民及び事業者は、地域の個性に十分配慮した良好な景観の形成及び保全を連携、協働して推進されなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、良好な景観の形成に関する施策(以下「施策」という。)を策定し、これを総合的かつ計画的に実施するものとする。

2 町は、法その他の景観の形成に関連する法令による制度を積極的に活用し、施策の実効性を高めるとともに、良質な景観形成のため行為を制限するための景観形成基準(以下「基準」という。)を定め良質な景観形成に努めなければならない。

3 町は、施策及び基準に関することについて、内子町都市計画審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

4 町は、町民及び事業者に対し、施策に関する情報を提供し周知に努めるものとする。

5 町は、公共施設等の整備を行う場合は、良好な景観づくりに先導的な役割を果たすよう努めなければならない。

(町民の責務)

第5条 町民は、自らが良好な景観づくりの主体であることを認識し、積極的にその役割を果たすよう努めなければならない。

2 町民は、町が実施する施策に協力し、共にその推進に努めなければならない。

3 町民は、基準を尊重し、良好な地域づくり及び景観づくりの妨げになる行為を行わないよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、事業活動の実施に当たっては、良好な景観づくり及び地域づくりの妨げになる行為を行わないよう努めなければならない。

2 事業者は、町が実施する施策に協力し、共にその推進に努めなければならない。

3 事業者のうち、建築物等の設計若しくは施工を業として行う者又は土地、建築物等の販売若しくは賃貸を業として行う者は、事業活動の実施に当たっては、基準を遵守するとともに、専門的知識、経験等を活用し、積極的に良好な景観づくりに努めなければならい。

(国、地方公共団体等に対する協力要請)

第7条 町長は、良好な景観形成を効果的に達成するため、必要があると認めるときは、国及び県その他地方公共団体に対し、景観形成について協力を要請するものとする。

(景観計画の策定)

第8条 町長は、景観形成を総合的かつ計画的に進めるため、その基本となるべき計画として景観まちづくり計画(以下「計画」という。)を定めなければならない。

(景観計画の策定手続)

第9条 町長は、計画を定めようとするときは、法第9条に定める手続によるほか、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

2 前項の規定は、計画の変更について準用する。

(景観計画区域及び景観計画重点区域の設定)

第10条 町長は、計画を補完するため、必要と認める区域を景観計画区域(以下「計画区域」という。)及び景観計画重点区域(以下「重点区域」という。)として指定することができる。

2 町長は、計画区域及び重点区域を指定するときは、当該計画区域及び重点区域の特性に応じた景観形成方針(以下「方針」という。)を定めなければならない。

3 方針は、当該計画区域及び重点区域の特性に応じた景観形成の目標、基本的な方針その他町長が必要と認める事項について定めなければならない。

4 町長は、計画区域及び重点区域を指定し方針を定めようとするとき、又はこれらの変更若しくは解除の手続を行おうとするときは、前条の規定を準用する。

(景観形成基準)

第11条 町長は、良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項について、次に掲げる事項のうち必要なものの基準を定めるものとする。

(1) 建築物について、形態、意匠、色彩、素材、敷地内における位置、高さ

(2) 工作物について、形態、色彩及び高さ

(3) 屋外広告物について、位置、形状、意匠、色彩、大きさ、材料及び高さ

(4) 屋外における物品の集積又は貯蔵について、集積又は貯蔵の方法、遮へい及び高さ

(5) 鉱物の掘採又は土石の採取について、集積又は貯蔵の方法、遮へい及び高さ

(6) 土地の形質の変更について、変更後の形状

(7) その他町長が必要と認める事項

(行為の届出)

第12条 計画区域及び重点区域内において、法第16条第1項各号及び景観法施行令(平成16年政令第398号。以下「政令」という。)第4条第1号及び第2号(木竹の植栽を除く。)に規定する行為を行おうとする者は、規則で定めるところにより、行為の内容を示す書類を添えて、行為に着手する30日前までに町長に届け出なければならない。

(届出を要しない行為)

第13条 届出を要しない行為として法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げるものとする。

(1) 自然公園法(昭和32年法律第161号)第13条第3項の規定による許可を受けて行う行為

(2) 森林法(昭和26年法律第249号)第10条の2第1項、第34条第1項若しくは第2項又は第49条第1項の規定による許可を受けて行う行為

(3) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)に規定する国宝、重要文化財若しくは重要有形民族文化財若しくは愛媛県文化財保護条例(昭和32年愛媛県条例第11号)に規定する愛媛県指定有形文化財若しくは愛媛県指定有形民族文化財又は内子町文化財保護条例(平成17年内子町条例第122号)に規定する内子町指定有形民族文化財に指定された建築物等の改築、増築、移転若しくは外観の模様替え若しくは色彩の変更並びに内子町伝統的建造物群保存地区保存条例(平成17年内子町条例第122号)保存地区内における伝統的建造物群を構成している建築物の改築、増築、移転若しくは外観の模様替え若しくは色彩の変更

(4) 計画区域内の建築物の新築、増築、改築又は色彩変更で、これらの行為による当該建築物の延べ床面積100平方メートル未満のもの。ただし、重点区域内は、建築物の新築、増築若しくは改築の行為で、延べ床面積10平方メートル未満のもの及び建築物の色彩変更で延べ床面積20平方メートル未満のもの。

(5) 工作物の設置で地盤面から上端までの高さが10メートル未満のもの。ただし、重点区域は、地盤面から上端までの高さが2メートル未満のもの。

(6) 法第16条第1項第3号に掲げる行為のうち、行為面積が500平方メートル未満の土地区画形質の変更及び土砂、砂利の採取並びに排出。行為面積が1,000平方メートル未満の屋外における物品の集積及び貯蔵。ただし、重点区域は、行為面積が200平方メートル未満の土地区画形質の変更並びに土砂、砂利の採取及び排出。行為面積が100平方メートル未満又は高さ1.5m未満の屋外における物品の集積及び貯蔵。

(7) 法第16条第7項第1号に掲げる行為その他の行為で、政令第8条で定めるもののほか規則で定めるもの

(8) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

(9) 国又は地方公共団体が行う行為

(助言、指導及び勧告)

第14条 町長は、法第16条第1項により届出があった場合において、その届出に係る行為が景観計画の景観形成基準に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、必要な措置を講じるよう助言し、又は指導することができる。

2 町長は、第12条第1項の届出をしない者に対して、届出をするよう指導、勧告その他必要な措置を講ずるものとする。

(勧告又は命令に係る景観まちづくり評価員の意見)

第15条 町長は、法第16条第3項の規定による勧告、法第17条第1項又は第5項の規定による命令、前条の規定による助言又は指導等の同法又はこの条例に基づく処分その他の行為をしようとする場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ景観まちづくり評価員の意見を聴くことができる。

(報告及び氏名等の公表)

第16条 前2条の規定による助言、指導、勧告又は命令を受けた者は、これらによって講じた措置について、規則で定めるところにより町長に報告しなければならない。

2 町長は、法第16条第3項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくこれに従わないときは、当該勧告の内容及び当該勧告を受けた者の氏名又は名称を公表することができる。

3 町長は、第1項の規定により報告を受けた場合は、必要に応じて調査を実施することができる。

(景観重要建造物及び景観重要樹木の指定)

第17条 町長は、景観重要建造物又は景観重要樹木を指定しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

2 町長は、法第22条第1項又は第31条第1項の規定による許可をするに当たって必要と認めるときは、あらかじめ景観まちづくり評価員の意見を聴くことができる。

(標識の設置)

第18条 法第21条第2項又は第30条第2項に規定する標識は、公衆の見やすい場所に設置しなければならない。

(滅失等の届出)

第19条 景観重要建造物又は景観重要樹木の所有者は、当該景観重要建造物が滅失し、若しくはき損し、又は当該景観重要樹木が滅失し、枯死し、若しくはき損した場合は、その旨を町長に届け出なければならない。

(協定の締結)

第20条 一定の区域内に存する土地、建築物、工作物又は屋外広告物若しくは屋外広告物を掲出する物件の所有者又はそれらを使用することができる権原を有する者は、その区域における景観の形成についての協定(以下「協定」という。)を締結することができる。

(協定の認定)

第21条 前条の規定により協定を締結した者は、規則で定める事項を記載した景観形成協定書を作成し、規則で定めるところにより、これを町長に提出し、その認定を求めることができる。

2 町長は、前項に規定する景観形成協定書の提出があったときは、その内容を審査し、当該協定の内容が景観の形成に寄与し、かつ、規則で定める要件に該当するものであると認めるときは、これを認定することができる。

3 町長は、前項の規定により協定を認定したときは、当該協定の内容を告示しなければならない。

(協定の変更、廃止又は取消し)

第22条 協定を締結した者は、当該協定の変更又は廃止をしたときは、その旨を町長に届け出なければならない。

2 町長は、前項の規定による廃止の届出を受理したとき、又は当該景観形成の内容及びその運用が景観の形成上適当でなくなったと認めるときは、前条の認定を取り消すものとする。この場合において、町長は、その旨を告示するものとする。

3 町長は、協定を認定し、又は認定を取り消す場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ景観まちづくり評価員の意見を聴くことができる。

(協力団体の認定)

第23条 町長は、一定の地区における景観形成を図ることを目的として組織された団体で、次の各号のいずれにも該当するものを景観まちづくり協力団体(以下「協力団体」という。)として認定することができる。

(1) 協力団体の活動が当該地区における景観形成に有効と認められるものであること。

(2) 協力団体の活動が当該地区の多数の町民に支持されていると認められるものであること。

(3) 団体の活動が関係者の所有権その他の財産権を不当に制限するものでないこと。

(4) 規則で定める要件を具備する協力団体規約が定められていること。

2 前項の規定による認定を受けようとする協力団体は、規則で定めるところにより、町長に申請しなければならない。

(協力団体の認定の取消し)

第24条 町長は、前条第1項の規定により認定した協力団体が同項各号のいずれかに該当しなくなったと認めるとき、又は協力団体として適当でなくなったと認めるときは、その認定を取り消すものとする。

(表彰)

第25条 町長は、景観形成に寄与していると認められる建築物等及びその他の物件について、その所有者、設計者又は施工者を表彰することができる。

2 町長は、地域の景観形成に寄与していると認められる個人及び団体の活動について、表彰することができる。

(景観形成に係る助成等)

第26条 町長は、計画区域内又は重点区域内において第12条の規定により届出をした者が景観形成に著しく寄与すると認められる行為をする場合にあっては、その行為に要する経費の一部を助成することができる。

2 町長は、第21条の規定により認定した景観形成協定その他規則で定める協定を締結した者が行う景観形成を図るための行為に対して技術的援助を行い、又はその行為、活動若しくは運営に要する経費の一部を助成することができる。

(景観まちづくり評価員)

第27条 第15条第17条及び第22条の規定により、その事務とされた事項その他町長が必要と認める事項を処理させるため、景観まちづくり評価員を置く。

2 景観まちづくり評価員は、審議会の意見を聴いた上で、景観に関し優れた識見を有する者のうちから町長が委嘱する。

3 景観まちづくり評価員は、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第3項第2号に規定する非常勤特別職とする。

4 前3項に定めるもののほか、景観まちづくり評価員に関し必要な事項は、規則で定める。

(委任)

第28条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

附 則

この条例は、平成20年10月1日から施行する。ただし、第12条から第26条までの規定は、平成21年4月1日から施行する。

内子町景観まちづくり条例

平成20年9月25日 条例第29号

(平成21年4月1日施行)

体系情報
第10編 設/第2章 都市計画・公園
沿革情報
平成20年9月25日 条例第29号