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平成28年12月 町長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年12月7日更新

12月のごあいさつ

 早いものでもう12月になりました。朝晩少し寒くなりましたね。私は山奥に住んでいますが、何日か前には霜が降りていました。畑が白くなっていて、もうそんな季節になったのかと思っているところです。今年はインフルエンザの流行が例年に比べて少し早いという情報も出ております。体調管理をしっかりとしてください。予防接種も積極的に受けて自己防衛に努めてほしいと思います。

 さて、公務に携わる仕事をしておりますと、思い通りにいかないことや悩んだりすることがあります。一方で、この仕事をしていて本当に良かったなと思うこともあります。さまざまな方向からきた意見などを調整しながら、前を向いて進めていかなければなりません。私はこのような状況の中で、本来人間が持っている清らかさは失わないようにしないといけないと思います。頭の片隅でいいから、そのような気持ちを持っておくことがとても大切です。

 非常に古い本ですが、「野菊の墓」という本があります。私は年に1、2回、少し気持ちが揺らいだり疲れたりしたときにこの本を読むようにしています。この本は、醤油の製造業を営む家の跡取りである15歳の少年・齋藤政夫と、2歳年上の従姉・民子の淡い恋を描いた小説です。政夫は幼い頃に父親を亡くしました。母親のふきが一人で家を切り盛りしていましたが、苦労が重なって介護が必要な状態になってしまいます。15歳の政夫一人で母親の介護をするのは無理があり、民子が政夫の家に住み込んで手伝いをするようになりました。2人で家事や介護をするうちに互いに惹かれ合いますが、なかなか口に出して好きということが言えません。ある日、2人は山にある綿を取りに行くことになります。そこにはきれいな野菊がたくさん咲いていて、普段言えない互いの気持ちを野菊を使って相手に伝え、愛し合っていくことを確認し合います。しかし、世間体的には2歳年上の女房をもらうのは良くないと思われていた時代。周りの人は2人を悪く言うようになり、心配した母親も2人を引き離そうとします。母親は政夫を寮のある離れた学校へ行かせ、2人は離ればなれになってしまいました。政夫が学校へ行っている間に他家へ嫁に行かされた民子は、妊娠中に流産で命を落とします。亡くなった民子の手には、政夫への思いをいっぱい綴った手紙が堅く握られていたそうです。政夫は民子の死を悲しみ、墓の周り一面に野菊を咲かしました。

 このような物語ですけれども、私は若者の持つ純粋な心、本来人間が持っておかなければならない清らかな心に感動をして、読み終わるといつも涙を流してしまいます。刻々と変わっていく世の中で、変えてはいけないもの、無くしてはいけないものがたくさんあります。私は2人のような清らかな心を忘れないことがとても大切だと思います。

 12月はそれぞれの地域で、年末最後の行事などが行われると思います。体調に気を付けて、今年最後の仕上げをしていただきたいと思います。